フィリピンにおける結婚の基本ルール
フィリピン人女性と結婚したい!というお問い合わせを多数いただきます。
その中で
「私の彼女は●●なんだけど、私と結婚できますか?」
「フィリピン大使館に行ったのだけど■■という書類が必要と言われ婚姻具備証明書が取得できなかった」
などの質問をいただきます。
結婚するための基本ルールが分かりづらいので、ここではフィリピン国籍者の婚姻するための要件を説明いたします。
年齢による要件
年齢 |
|
18歳未満 |
婚姻不可能 |
18歳から20歳まで |
両親の同意書が必要
|
21歳から25歳まで |
両親の承諾書が必要 |
25歳以上 |
両親の同意や承諾がなくても婚姻可能 |
フィリピン人の婚姻法定年齢は18歳以上です。
また、18歳以上の場合に必要な書類があります。
18歳から20歳まで の場合 両親の同意書が必要
21歳から25歳までの場合 両親の承諾書が必要
同意書と承諾書の違いについては、フィリピン国籍者同士が結婚する場合には違いがあるのですが、日本人と日本国内で結婚する場合には違いがあまりありません。
18歳から25歳の方と結婚する場合、同意書・承諾書は、在東京フィリピン大使館より婚姻具備証明書を取得する際に必須な書類となります。
「同意書」「承諾書」とそれぞれの書類を彼女のご両親から必ず作成してもらうことが重要です。
婚姻状況による要件
婚姻身分による結婚の一覧表
日本人と結婚した後離婚した |
原則 |
離婚の承認裁判を行えば再婚可能 |
|
例外 |
離婚の承認裁判を行わず、自分で自身の独身性を証明して再婚する(日本の民法では有効な結婚だが、フィリピン国にて有効な婚姻にはならない) |
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更なる 例外 |
離婚した後、前夫が死去した場合は「配偶者が死去」の状態となる |
||
配偶者が死去した |
全夫が日本人の場合、戸籍謄本を提出すれば婚姻可能。
全夫がフィリピン国籍者の場合、フィリピンPSAより発行された死亡証明書を提出すれば婚姻可能。 |
||
フィリピン国籍者と結婚している
|
原則 |
現在の夫との婚姻が有効なので、別の男性と結婚できない。結婚すると重婚となる。 |
|
例外1 |
結婚相手が死亡している場合、未亡人となり婚姻可能。 |
||
例外2 |
婚姻解消(アナルメントと呼ばれます)をすれば、結婚自体が取消となるので独身と同じ状態となり婚姻可能。 |
フィリピンには離婚という法制度がありませんので、結婚したら相手が死ぬか自分が死ぬまで結婚が続きます。
婚姻解消(アナルメント)について
離婚という法制度がないフィリピンにおいて離婚と同じような効力を発生させるには、「婚姻解消(アナルメント)」という手続きを行います。
これを行うことにより、婚姻が最初からなかったことになります。
離婚と婚姻解消の違い
離婚 |
婚姻解消 |
婚姻は有効に成立したが、離婚することにより婚姻関係が終了する。 |
婚姻自体を最初からなかったことにする。 |
とは言え、フィリピンの法律で厳格に成立した結婚を最初からなかったことにするのは大変なことです。
フィリピンの結婚とは
ここで、日本とは違うフィリピンの結婚式について説明します。
フィリピン家族法では、結婚をしたい男女が共に市町村役場へ行き、婚姻許可証を申請します。
10日間掲示をした後、問題がなければ婚姻許可証が発行されます。
この婚姻許可証を持って婚姻を行います。
婚姻許可証が発行された後は、婚姻を司る権限を持った人にお願いし、婚姻契約書を作成します。婚姻を司る権限を持った人、というのも法律で定められており、市長や許可証を持った牧師などがあたります。(モグリの結婚式は犯罪のようです)
実際にフィリピン人同士の方の結婚についてお客様から聞いたものなのですが、教会婚と民事婚(行政機関に届け出て承認を受けることにより婚姻関係が成立する婚姻)に分かれます。
教会婚の場合、親族や友人などを招いて100人前後で行われる場合が多いです。
民事婚の場合は、午前中に結婚契約を行い、午後レストランを借りて披露宴をやるケースや、妻の自宅で親戚や友人、近所の人を招いて質素ながらも大勢の人から祝福される結婚式を行う方が多いと感じました。
また、少数ですが家族だけで5人前後で食事だけ、というケースの方もいらっしゃいました。
日本のように婚姻届を市町村役場へ提出すれば終わり、というものとは少し違います。一生に一回しか結婚できないフィリピンにおいて、結婚は祭りごととだと思います。
まとめ
1. まずは結婚したい相手の事をよく知りましょう。そして彼女の婚姻状況を正確に把握します。
「フィリピンで結婚したんだけど相手は逃げた」
「フィリピン人男性と結婚したけど別れて、相手には新しい奥さんがいる」
「結婚した後、相手はアメリカに行ってしまった」
「親が勝手に結婚の手続きをした」
という場合は要注意です。
2.フィリピン人と日本で結婚する場合、在東京または大阪のフィリピン大使館ホームページをよーく読んでください。
英語になっている部分もあり分かりずらいと思いますが、何回も読んで書類を把握します。
3.それでもわからない、無理!という場合は、当事務所におきましても有料ではありますが相談を受けています。
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