就労ビザを申請する方の学歴について(大卒・専門学校卒の違い)
日本は、歴史的な背景もあり、これまで公に外国人を受け入れてきませんでした。
しかし、近年では、少子高齢化に伴った労働力の低下により、外国人人材を多く受入れる流れへと変わってきました。
もちろん、日本での就労を希望する外国人であれば、どのような人物でも良いということではありません。
日本での就労を通じて、日本国にとって有益となるような人物であることが求められています。
そのため、大原則といたしましては、就労ビザを取得されるためには、一定の学歴を必要としています。
こちらの記事では、就労ビザを申請する方の学歴についてご説明しています。
大卒であることが望ましい
就労ビザを申請する際には、大卒以上(短期大学含む)であることが望ましいです。
日本で就労することで、日本国に利益を享受できる人物である必要があるため、高い専門性が求められています。
しかし、日本の専門学校を卒業されている場合であっても、「専門士」または「高度専門士」を取得していれば、就労ビザを取得できる可能性があります。
つまり、就労ビザを取得するためには、高い専門性を証明できるか否かということが大前提となります。
そのため、海外の専門学校を卒業された方(日本の専門士または高度専門士に準ずる資格を有していない場合)や最終学歴が高卒及び日本語学校の方は、日本での就労ビザ取得は難しくなります。
しかし、就労ビザ(在留資格)は、個別に審査されるため、状況に応じて、行政書士及び出入国在留管理庁に相談の上、申請を検討される必要がございます。
最終学歴が日本語学校の方について
例えば、国を問わず大学を卒業した後に、日本にて日本語学校を卒業した場合には、就労ビザを申請する上で問題ございません。大卒の資格を有しているためです。
しかし、国を問わず高校を卒業した後に、日本にて日本語学校を卒業した場合には、就労ビザを申請する上で難しくなります。
入管法上では、日本語学校は専門学校に属しておらず、高卒扱いとなってしまうためです。
日本語学校を専門学校と認識されていらっしゃる方も多いのですが、厳密には異なります。
そのため、高卒後に、日本の日本語学校を卒業された方が就労ビザ取得を目指すためには、原則として、日本の専門学校及び大学(国を問わず)に進学される必要があります。
しかし、金銭面において、日本の専門学校及び大学に進学することが難しい方も少なくないかと思われます。
その場合には、一度、母国に帰国し、母国で十分に日本語を学んだ後に、日本の専門学校(日本語学校以外)へ入学されることもご検討ください。
専門卒は職種の幅が狭まることも
専門学校卒であっても、「専門士」または「高度専門士」を有していれば、申請自体は可能となります。
しかし、大卒以上の方と比べて、就労ビザ取得が難航する可能性が高くなります。
その理由と致しましては、学校で学んでいたことと、担当する職務内容との関連性の証明が難しくなることがあるためです。
一般的には、大学のほうが幅広く講義を履修することができるため、就労ビザを取得する上では有利に働く可能性があります。
専門学校は、狭義の専門性を高める学校が多いため、大学生のように広範な知識を有していない(履修していない)と入管に判断されてしまう可能性があります。
しかし、個々の状況により判断が異なるため、こちらに記載とは異なる場合もございます。
そのため、実際に申請を行う際には、行政書士等の専門家に相談の上、申請人の状況(学歴)を明確に入管に伝える事及び証明する書類(卒業証書、資格証明書、履修証明書等)をご準備いただく事が重要です。
専門卒だと就労ビザ取得が難しくなる職種
専門卒であっても、就労ビザの取得が許可される可能性はございます。
しかし、美容及び介護、マッサージなどの専門学校で学んだ方は、就労ビザの取得が難しくなります。
美容に関しましては、専門性を証明することが難しい事と、美容関係の職種に就いている日本人が不足していないことが考えられます。
また、介護に関しましては、新設された特定技能のビザ(在留資格)に該当しているため、今後は取得される方が増加されることが予想されますが、これまでは、外国人に介護されることを望まれない方も多く、介護分野で働かれている方は、日本人の配偶者の方(日本人の配偶者である外国人の方は、就労する職種などの制限がないため)などが大半でした。
日本の専門学校でマッサージ、はり・きゅう、柔道整復、あんまマッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔術整復師等の資格を取得した方は、在留資格の許可が下りない状況です。
まとめ
日本の就労ビザを取得するためには、大卒以上が望ましいです。
大卒及び大学院卒であれば、履修した専門科目と就業する職種に関連性は求められるものの、学歴としての要件の大前提はクリアしていることになります。
専門卒の場合は、「専門士」または「高度専門士」を有していれば申請要件に適合していることになりますが、ご状況によりましては(専門士または高度専門士の資格を得ていない等)、申請要件を満たしていないこともあります。
つまり、専門卒の方の場合には、就労ビザ申請に際して、学歴に関して注意が必要になります。
また、必要に応じて、学歴や資格等を証明する書類を提出するなど、戦略的な申請が必要となります。
個々のケースにより提出書類は異なるため、必要に応じて、行政書士等の専門家にご相談いただくことをお勧めいたします。
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