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日本の大学を卒業した留学生に対しての法務省告示改正について
令和1年5月に出入国管理庁より留学生の就職支援に係る「特定活動」(本邦大学卒業者)についてのガイドラインが発表されました。
この告示改正につき、ポイントを説明したいと思います。
1.制度の概要
現行の「技術・人文知識・国際業務」という就労ビザでは許可が下りなかった「一般的なサービス業務や製造業務等が主たる活動となるもの」についても、高い日本語能力を活用することを要件として認めていくという画期的な内容です。
在留資格は「特定活動(本邦大学卒業者)」となります。
2.策定の理由
現在、日本では少子高齢化が進み、労働人口が減少しています。
一方、日本を訪れる外国人は増加傾向にあり、インバウンド業界は発展の過渡期にあります。
しかし、日本人で語学に堪能な方が少なく、企業が海外の文化や言語に精通した人材を求めているにもかかわらず、日本の在留資格の制度により、思うように雇用が進んでいない現状がありました。
こちらの策定では、日本の大学及び大学院を卒業された優秀な外国人人材を日本国内に留まらせるという意向があります。
これまでの日本は経済発展が著しく、日本での就労を望まれる方も少なくありませんでした。
しかし、日本の国力が低下している現在、優秀な外国人人材は日本を選択する必要がなくなってきています。
そのため、外国人人材の日本での就職活動や就労を、在留資格の部分で滞ってしまわないように、緩和する必要がありました。
お隣の国、韓国でも外国人人材の受け入れを拡大しており、今後は、国や国籍を問わず、優秀な人材を受け入れることが、世界的に重要視されています。
3.対象者について
しかし、当然ながら誰しもが「特定活動(本邦大学卒業者)」が取得できるわけではありません。
こちらの制度は、日本の大学又は大学院を卒業・修了した留学生であり、日本語はもちろんの事、高いスキルを有している必要があります。
下記が対象者の要件となります。(法務省ホームページより引用)
①学歴について
日本の4年制大学の卒業及び大学院の修了に限られます。
短期大学及び専修学校の卒業並びに外国の大学の卒業及び大学院の修了は対象になりません。
②日本語能力について
ア 日本語能力試験N1又はBJTビジネス日本語能力テストで480点以上を有する方が対象です。
イ その他、大学又は大学院において「日本語」を専攻して大学を卒業した方については、アを満たすものとして取り扱います。
なお、外国の大学・大学院において日本語を専攻した方についても、アを満たすものとして取り扱いますが、この場合であっても、併せて日本の大学・大学院を卒業・修了している必要があります。
つまり、原則的には、日本の大学または大学院を卒業している必要があり、専門学校や日本語学校卒では対象者とならないことになります。
「技術・人文知識・国際業務」と「特定活動(本邦大学卒業者)」の違い
在留資格 |
技術・人文知識・国際業務 |
特定活動(本邦大学卒業者) |
学歴 |
日本または海外の大学・大学院を卒業(大学は海外でもよい) |
日本にある4年生大学・大学院を卒業 (海外の大学卒業は認められない) 短期大学や専門学校は対象外 |
日本語能力 |
不問 |
・日本語能力試験N1又はBJTビジネス日本語能力テストで480点以上 または ・大学又は大学院において「日本語」を専攻して大学を卒業 |
4.業務内容について
留学生としての経験を通じて得た高い日本語能力を活用することを要件として、日本での就労が認められることになりました。
加えて、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格は、一般的なサービス業務及び製造業務等を主たる活動とすることはできませんが、当該策定では、当該活動も可能となります。
まとめ
当該ガイドラインの策定により、日本の大学及び大学院を卒業された優秀な外国人人材が、日本での就労及び在留に関して、選択肢が一つ増えることになりました。
今後も優秀な外国人人材を日本に留めさせるような策定は続くかと思われますが、入管法関連は法改正や制度の見直しが多く、雇用される企業様や外国人の方が常に新しい法令を理解することは難しいかと思われます。
そのため、必要に応じまして、入管法の専門家である行政書士等の専門家にご相談いただくことをご検討いただけますと幸いでございます。
根拠
留学生の就職支援のための法務省告示の改正について
http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri07_00210.html
留学生の就職支援に係る「特定活動」(本邦大学卒業者)についてのガイドライン
http://www.moj.go.jp/content/001294971.pdf
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