永住許可と帰化の違い
永住許可と帰化は、どちらも半永久的に、日本に滞在できる資格となります。
しかし、実際には、規定が全く異なる資格なので、項目毎にご説明していきます。
永住許可と帰化の違い 《国籍》
まず、国籍についてご説明いたします。
永住許可は、あくまで日本に永住できる許可なので、国籍は当該外国人の国籍のままとなります。
つまり、アメリカ国籍の方が永住許可を取得した場合には、国籍はアメリカのままで日本に永住できる許可を取得するという形になります。
一方、帰化は日本の国籍を取得することになり、帰化が認められると日本人となります。
そのため、メリットを感じられる方も多いでしょう。
しかし、日本の法律では、国籍を1つしか持つことができません。
国によっては、複数の国籍を取得することができる国もあるのですが、日本は1つの国籍しか有することができないため、帰化をした場合には母国の国籍は放棄しなくてはなりません。
つまり、アメリカ国籍の方が帰化した場合には、日本国籍を有することになり、アメリカ国籍ではなくなります。
永住許可と帰化の違い 《戸籍》
日本では、多くの行政手続きに、戸籍謄本の提出が求められます。
例として、パスポートの取得や婚姻届を提出する際などです。
この点、永住許可を有している外国人の方は、戸籍が作成されることはありません。
(戸籍が編製されるのは日本国籍者のみです)
つまり、日本での行政手続において、身分事項の書類を母国から取り寄せる必要があるなど、手間がかかります。
一方、帰化している方は日本国籍なので、戸籍が編製され行政手続においてメリットを感じることができます。
永住許可と帰化の違い 《就職について》
永住許可を有している方も帰化された方も、特に制限なく日本で就労することができます。
しかし、公務員については制限があります。
永住許可を有している外国人の方は、日本国籍者ではないため、原則的に公務員になることはできません。
(一部例外はございますが原則的には不可となります)
一方、帰化している方は、日本国籍者なので公務員になることが可能です。
永住許可と帰化の違い 《選挙権・被選挙権》
選挙権とは、参政権の一つで選挙に参加することができる地位を示します。
被選挙権とは、国会議員及び都道府県知事、都道府県議会議員、市区町村長市区町村議会議員に就くことのできる権利になります。
永住許可を有している外国人の方は、例外はあるものの、原則的に選挙権及び被選挙権は与えられていません。
そのため、日本の国政には参加できないことになります。
一方、帰化している方は、日本国籍者なので選挙権・被選挙権ともに与えられます。
永住許可と帰化の違い 《パスポート》
私たち日本人にとって、海外旅行は敷居が高いものではなくなってきました。
というのも、日本のパスポートを有していれば、多くの国でビザが免除されているなど非常に利便性が高いものとなっており、ほぼ全ての国へ入国することができます。
国によっては、自由に海外旅行ができない国もありますし、そもそも国家間の関係性等により入国が許可されないこともあります。
つまり、日本のパスポートを有していることは、世界的な信用と利便性を手に入れることができるということです。
永住許可を有している外国人の方は、国籍は母国のままですので、日本のパスポートは取得できません。
つまりは日本のパスポートの利便性を享受することはできません。
一方、帰化している方は、日本国籍者なので日本のパスポートが取得でき多くの恩恵を受けることができるようになります。
永住許可と帰化の違い 《強制退去制度》
強制退去制度とは、その名の通り、当該外国人を強制的に日本から退去させる制度になります。
強制退去に該当する行為は様々ですが、日本の法令を守れなかった際に、施行されることになります。
永住許可を有している外国人の方も、この強制退去制度の適用を受けます。
そのため、半永久的に日本に滞在できる権利を有していても、日本の法令を遵守しなかった場合等には
日本から退去させられる可能性があります。
一方、帰化している方は、日本国籍者なので強制退去制度の適用は受けません。
もちろん、法令違反を犯した場合は、日本国内での責任追及は免れませんが強制退去制度の適用外となります。
永住許可と帰化の違い 《再入国》
永住許可を有している外国人の方は、日本に再入国する予定がある場合は出国時に再入国の手続きを行わなくてはなりません。
また、みなし再入国制度を利用して出国した場合、1年以内に日本に戻らない場合は永住許可は失効してしまいます。
一方、帰化している方は日本人なので、再入国の手続きは不要となります。
まとめ
永住許可、帰化ともに、長期的に日本に滞在できる身分資格ですが自動的にその資格が与えられるものではありません。
永住許可または帰化ともに、申請手続きが必要になります。
つまり、永住許可または帰化、その他の在留資格のどれを選択するかは個々の意向が全てとなります。
どの資格を選択するかは、個々の状況により判断する必要があります。
日本で生活をする際には、やはり帰化をするほうが生活はしやすいと思いますが、母国の国籍を失い
名前も変更となります。
そのため、母国の家族や親族の意向も確認しなくてはならないですしお子様の人生にも大きく関わることなので、十分な検討が必要です。
また、原則として、永住申請、帰化ともに申請を行っても必ず許可されるものではありません。
つまり、ご自身が望んでも、希望通りにならない可能性もあるということです。
永住許可、帰化については非常に複雑な要項となっているため、ご不明点がある場合には入管法の専門家である行政書士等へのご相談をお勧めいたします。
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